小説を書き始めた人にとっては、小説を書くのに必要な技術というのは分かりにくいところがあるでしょう。
小説家に必要な技術とは、いったいどんなものがあるのでしょうか。
修辞技法・レトリック
誰もが無意識にレトリックを使っている
レトリックは、小説家が小説を執筆する上でとても重要な技術です。
「カモシカのような足」や「権力の犬」といった言い回しは比喩として、レトリックの一部です。
また「この料理は悪くない」の「悪くない」は緩叙法といわれるレトリックで、端的に「良い」というより含みを持たせた表現です。
これは文章として執筆する技術のみならず、日常会話やスピーチのような言語表現としても活用されています。
ですので小説家のみならず、目指している人々や一般人の方々も気づかないうちに使っているものです。
意図的に効果的なレトリックを自在に扱えるようにする
こうした技術は、スポーツ選手にとっての筋肉みたいなものです。
誰でも筋肉を持ち気づかぬうちに使っていますが、プロであるならば重点的に鍛えて自在に使えるように調整しておかないといけません。
上記にある「カモシカのような足」は「ような」という言葉を用いた直喩(もしくは明喩)というレトリックで、「権力の犬」は「ような」という言葉を用いない隠喩(もしくは暗喩)というレトリックです。
前者の直喩はそれが比喩であることを分かりやすく示していますが、後者の隠喩はそれが比喩であるかは一見して分かりません。
ですので分かりやすい文章を書くなら、前者を使う方がよいでしょう。
ミステリー・ホラー的技術
ミステリー作品は、追跡者と犯人の争いを扱っているので非常にサスペンスに富んだエンターテインメント性の高いものとなっています。
またホラー作品は鑑賞者の心理的恐怖を引き出すために様々な技術を駆使しています。
そういったミステリー作品やホラー作品は物語の見せ方にとても凝っており、ミステリーやホラーを書かない人にも参照できる技術がたくさんあります。
特にミステリー作品では伏線と言われる、最初のうちはどういった意味かわからないけれど、事実が判明してから読み直すと意味が改めて判明する技術が随所に張り巡らされています。
こうした技術は他の作品にも利用されていますし、巧みに伏線が張られた作品は一読に値するものばかりです。
まとめ
○レトリックは小説を書く上で非常に重要な技術。
○使いたいときに有効なレトリックを使えるようにする。
○様々な作品を見てレトリックを学ぶ。
レトリックは小説家にとってとても基礎的な技術でありながら、小説には欠かせない技術です。
レトリックの練習を怠らないようにしましょう。