世間的なイメージとして、小説家は仕事として小説しか書いていないというイメージをもたれることがあります。
実際のところ、小説家は兼業してはならず専業でないといけないのでしょうか。
副業をしても大きな問題はない
厳密にはエッセイですら副業
小説家という肩書上、小説以外のものを執筆することですら副業たりえます。
エッセイやコラム、脚本などは仕事としての分類上、小説とは似ていますが別物ではあるのです。
こうしたものを書くことで小説以外の収入を得ることができます。
それぞれエッセイスト・コラムニスト・脚本家と呼ばれる職業があり、実際にはその境界は曖昧とすらいえます。
その分コラムニストが小説を書いたり脚本家が小説を書いたりすることで小説家を名乗ることもできますし、逆に小説家がエッセイやコラムを書くことでエッセイストやコラムニストを名乗ることもできます。
似てはいますがあくまで別の仕事ですので、そうしたエッセイやコラムを連載していると、兼業と呼ばれても仕方のないものなのです。
テレビ出演も小説家としては副業
一部の有名な小説家に限りますが、テレビ出演をしている人もいます。
この場合は仕事の分類上、執筆を行わないので副業としては分かりやすいものといえるでしょう。
俳優などにはありがちですが、新しい作品の宣伝のためにメディアに出演するなど、必ずしも本業の小説と無関係であるとは限りませんが、小説家として専念する人であれば断れるものなので、やはり副業であるという事実は変わりません。
小説に関係のない副業
小説家と認識されなくなる
しかし上記のような副業を続けていると、次第に世間や出版社の「小説家である」という認識が薄れてしまいかねません。
小説を書かずにテレビにばかり出演していると、もはや小説家ではなくタレントであると認識されるに至ります。
もちろん執筆する意志があれば出版することはできるでしょう。
しかし小説を書く作業は日頃から考えていないといけないので、あまり兼業するのが簡単な職業ではありません。
ですのでそれで失敗してしまうと小説家としての信用が失墜しかねないものです。
相手にされなくなる
現在は多彩な人がもてはやされることが多いですが、パッとしない作品ばかり残してそれでいて副業ばかりに勤しんでも、主業の印象が薄くなるばかりで相手にされなくなってしまいます。
タレントが小説を出版することで一時的に小説家として有名になることはできますが、やはり小説家として大成するには、その「小説家である」というイメージを継続して定着させないといけないのです。
それでも出版して売れてしまえば良い
とはいえ、小説の世界は実力の世界です。
極論をいってしまえば、どんなに愚かしい人物であっても作品さえおもしろければ多くのことは許されます。
そういった意味では副業も、主業である小説がしっかりとしたものであれば何ら問題はないものなのです。
まとめ
○小説家にとっては、エッセイやコラムの執筆ですら副業。
○副業ばかりでは小説家として見放されうる。
○小説家としては、小説さえしっかりしてれば多くは許される。
小説家として、兼業をすることは何ら悪いことではありません。
しかし副業ばかりしていると小説家として認識されなくなるのでほどほどにしておくのが良いでしょう。