小説は誰でも挑戦することができ、また広く門が開かれているものですが、小説家として名が知れるようになるにはやはり下積みを要します。
そうした時期にある新人の小説家の人々は、果たして年収などの収入をどれくらい稼いでいるものなのでしょうか。
売れない間は印税より原稿料
小説は本を執筆するまでは基本的に収入が確定しないものなので、月収や年収といった概念はあまり小説家にとって意味をなしません。
そんな中でも、小説を書くことで印税や原稿料を収入として期待することができます。
原稿料は発行部数の影響がない
原稿料は、新聞や雑誌に文章が掲載される際に支払われる対価です。
これは基本的に掲載されるメディアによって金額が変わるものであり、その小説が後に発行された場合の部数などに影響されません。
この原稿料は小説のみならず、エッセイやコラムの対価としても支払われるものです。
印税は発行部数が多いと増える
小説家の収入として有名な印税ですが、これは原稿料と違い発行部数に如実に影響するものです。
おおむね書籍の価格と販売部数に印税の割合をそれぞれ掛けたものが実際の小説家の収入となります。
1,000円の書籍を100部販売し、印税の割合が10%だった場合は1,000×1000×0.1となり10,000円の収益となるのが概算です。
印税は発行部数に影響されますので、新人であるとか玄人であるとか関係なしに、売れているほど印税としての収入は増えます。
また印税の割合は5~15%ともされており、販売部数が多く見込まれる有名な小説家ほど上がるとされています。
賞を取ると知名度が高いところから始まる
有名な賞を取ると発行部数が多くなる
直木賞や芥川賞などの有名な賞を取ると、新人でも知名度が一気に上がります。
知名度が上がるとその分、小説も売れるようになります。
そこからしっかりと売れるような作品を生み出し続けることができれば、小説家としての地位は確立されることとなるでしょう。
継続的に良作をつくるのが課題
小説家にとってとても大事なのは、継続的に小説を作り続けることです。
世の中には小説家という肩書きを持つ人が多数いますが、その中には一作しか作っていない人や、複数作ってはいたものの数年まったく執筆していない人もいます。
おおよそ肩書きというものは業績を示すものなので、たとえその作業をとっくにやめていたとしてもその肩書きは消えないものなのです。
一発屋
小説の世界にも、芸人でいうところの一発屋とされる人達はたくさんいます。
受賞作が有名になったものの、それ以降の作品が鳴かず飛ばずでまったく世間的に名前を聞かなくなる、ということがあります。
こうした人達は、おおむね受賞作の品位に比べて技術が足りなかった、もしくはたまたま運が良かったなどとすら言われます。
まとめ
○原稿料は印税ほど浮沈が少ない。
○印税は発行部数によって大きく左右される。
○小説家は継続的に仕事を続けることが大切。
小説家というのは、作品さえ良ければ実績はあまり関係ないという稀な世界です。
新人であるから年収が低い、または長く小説家でいるから年収が多いというものではありませんが、継続的に小説家として成功するのはやはり難しいものなのです。