小説家の収入として世間的に広く認知されているのは、やはり印税でしょう。
小説家は印税によってどれくらいの収入を得ているのでしょうか。
基本的には10%
印税とは
印税とは著作権の使用料として、出版社が著作権所有者に対して支払う対価です。
「税」という名称が付いているものの、税金とは何ら関係はありません。
一般的には出版物に対する報酬のようなものとして認知されていますが、実際には出版物のみならずCDや楽曲などにも適用されます。
10%の印税
この印税は出版物の販売部数に限らず、基本的に定価の10%とされています。
多くの出版物はこのパーセンテージで刊行されているので、ニュースなどで販売部数が表記されていれば著作者の印税がおおよそどれくらいだったのかは計算することができます。
1冊が1000円の書籍を100部販売すると「1000×0.1×100」つまりおおよそ1万円だと推測できるのです。
もし1年に1作を生み出す小説家が年収1000万に相当する印税生活を送ろうと考えるならば、1000円の小説を10万部は販売しなければなりません。
理論的にはこれより多作な小説家もいますので、そうすれば単純にはこれ以上の印税生活を送ることができる計算になります
部数や交渉によって変動する
しかし実際のところは一律で10%ではなく、5~15%の間で変動するとされています。
販売部数があまり多く見込めないときはパーセンテージの少ない数字になり、逆に販売部数が多く見込めるときはパーセンテージが増えるという寸法です。
このパーセンテージは何も出版社から押し付けられるものではないので、交渉によって少し上方修正させることもできるようです。
原稿料
小説家の収入としては、印税の他に原稿料というものがあります。
紙面への連載などで原稿料が入る
印税は売れた部数に対する収入ですが、原稿料は小説を掲載することに対する報酬です。
新聞や雑誌に掲載することで、こうした原稿料を手にすることができます。
印税と違って販売部数の影響がありません。
またこの原稿料は小説のみならず、エッセイやコラムとして執筆した場合にも支払われます。
こうしたエッセイやコラムは雑誌上で連載されたりしますが、出版される機会はさほど多くはないので原稿料のみとなりがちです。
印税生活を送る上ではあまり重要ではありませんが、しっかりとした報酬ではあるのです。
原稿料はあまり変動がない
この原稿料は販売部数に影響されず、また掲載されるメディアによって額面が変わる程度で、大きく変化することはありません。
ミリオンセラーなどになると億単位の印税が期待できますが、原稿料はミリオンセラーであってもそうした増大が期待できません。
まとめ
○印税は小説のみならずCDなどにも適用される。
○おおむね印税は10%で設定されている。
○原稿料も見込めるが、印税ほどの振り幅はない。
小説家といえば印税による莫大な収入で、豊かな印税生活を送っているように思われがちです。
しかし実際のところは、ほんの一握り以外は印税の恩恵を感じられるものではないのです。