小説家を目指す人達の中には、どうにかして前線で活躍している人達の技術を目の当たりにしたい、と考える人は少なくないでしょう。
そうしたときにアシスタントというものに目を付けることができますが、実際のところ小説家にアシスタントはいるのでしょうか。
基本的にはアシスタントはいない
アシスタント
アシスタントとは、メインで作業をする人をサポートする人員のことを多く指します。
テレビ番組などではADと呼ばれる人達がアシスタントディレクターとしてサポートしますし、マンガやアニメなどでもアシスタントとしてメインの人を助ける役目の人達がいます。
特に単に「アシスタント」と呼ぶ場合は、こうした「すでに現役で活躍している人の下で、ゆくゆくは同じように活躍するために修業をする人」という意味合いで使われます。
小説においてアシスタントはいない。
しかし小説の世界には、こうしたアシスタントの制度というものはありません。
このアシスタントというものは師弟や丁稚に似た制度ですが、小説にはそうしたサポート役が必要ないのです。
というのも小説というのは文章のみで構成されており、その作業を小説家本人以外が書いてしまうと本人のものではなくなってしまいますし、そうした別の人間が書いた文章に誤りがないかなどを見直すこと自体に時間がかかってしまうのです。
テレビ番組やマンガなどは、全体の作業を分割することのデメリットが少なく、また視覚的な情報ばかりなので誤りがあった場合の修正が比較的容易なのです。
編集者がアシスタントに近い存在
編集者
小説における編集者の仕事は、主に小説家のサポートをすることです。
調べ物などを頼まれることもあるでしょうし、文章のチェックを行うのも編集者です。
編集者は出版社の人間ですので、商業的にその小説を出版するために様々な協力をしてくれるものです。
小説家を諦めた人が編集者になることも
また小説家を目指していたけれど夢が叶わずに諦めた人が、それでも業界から離れることができずに編集者になるということがあります。
こうしたものはなにも小説の世界のみならず、演劇や芸人の世界でも売れずに諦めた人達が裏方にまわることがあり、珍しいことではありません。
編集者が小説家になることはない
しかしおおよそ編集者が小説家になることはありません。
可能性としてはゼロではないのですが、編集者になるということは編集者として知識・能力を溜め込むことであり、それは小説家として執筆する知識・能力とは別物なのです。
スポーツにおいてコーチが選手として復帰することがおおよそないようなものです。
まとめ
○小説家にアシスタントはいない。
○サポート役としては編集者がそれに近い存在である。
○いずれにせよ小説家を目指す上でなれるポジションではない。
こうした観点から見ると、小説家というのは他の職業よりもやや閉鎖的な職業です。
しかし後続の育成に向けて技術を公開し出版している人達もいるので、興味がある人は探してみると良いでしょう。