小説家の仕事というのは小説を書くことであると周知されていながら、その生活の実情はなかなか知られているものではありません。
小説とは多人数で行うものではありませんが、はたして小説家の仕事というものは孤独ではないといえるのでしょうか。
執筆作業は一人でする
ほとんどの作業を一人でする
実際のところ、小説家の仕事はおおむね一人で行うものです。
小説を書く際は、実質的な執筆作業である本文の作成と、それの前準備であるプロットの作成、後処理である校正や誤字脱字の修正を行います。
プロットの作成段階では編集者がダメ出しをして修正を行うことがありますし、場合によっては複数回、何度でも行うことになります。
また後処理の校正などは他の人にしてもらうこともできますが、おおむね修正も小説家本人がすることが多くなります。
マンガ家のようにアシスタントはいない
マンガ家はアシスタントがいることが一般的ですが、小説家にアシスタントがいることは稀です。
編集者が助力してくれることもありますが、それでもやはりおおよその作業は小説家一人で行わなくてはなりません。
マンガの場合はキャラクターや背景、またトーンなど様々な作業があるので分担できるのですが、小説の場合はどれも執筆として単一である上に、他人と分担すると整合性がつかなくなるなどの弊害もあるのです。
小説家は孤独であるか
こうした状況から、小説家は一般的には孤独な仕事であるといえます。
もちろん小説家によっては孤独を好む人もいるでしょうし、また孤独を嫌う人もいるでしょう。
むしろ他人と接するのを嫌う人もいることでしょう。
小説に限らず、創作活動というものは己と向き合い続ける作業です。
孤独を極端に嫌う人には、小説という作業は長続きしないものかもしれません。
個人事業主扱い
小説家はそうした一人で作業を行うことが多く、また会社に勤めたりしないために個人事業主扱いであることが多い職業です。
福利厚生や確定申告は、おおよそ小説家本人がする必要があります。
法人化したりマネジメント企業に属したりするならば、サラリーマンと同じように変化することもあります。
また小説家向けの協会がいくつか存在します。
日本文藝家協会や日本推理作家協会などがそれに当たります。
まとめ
○小説家の仕事はほとんど一人でする。
○アシスタントもいないため、孤独であることが多い。
○福利厚生なども自分で行わないといけない。
小説家の作品は、映像化されたりメディア展開されたりすると、とても華やかな印象を与えるものとなります。
しかし実質的な制作作業はとても地味で孤独なものであるといえるでしょう。